第859章

松本桜は、話を聞きながらぽかんとしてしまった。

 やがて彼女はコップを置き、心配そうに小林絵里を見つめる。

「それで……目は今どうなの? もう戻ったの?」

 小林絵里はこくりとうなずいた。

「南のおかげです。あの場所から助け出してくれて、病院まで連れて行ってくれました。あれがなかったら……わたし、もう二度と見えなかったかもしれません」

 松本桜は慌てて南へ顔を向ける。

「ありがとうね」

 南は小さく笑った。

「気にするな。前に君たちにも助けてもらった。これは当然のことだ」

 松本桜は再び小林絵里へ視線を戻し、そのまま彼女のお腹に目を落とす。そっと手を伸ばし、やさしく触れた。...

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