第90章

庄司一火はハッと息を呑み、呆然と立ち尽くした。

冷静に考え直してみると、途端に顔から火が出るほどの強烈な羞恥心が込み上げてくる。

一年前、坂田和也が唐突に姿を消し、坂田家全体が騒然となった。かつて彼の配下だった者たちは八方手を尽くして行方を探ったが、どうしても見つけ出すことができなかったのだ。

当時の坂田和也の状況を思えば、誰かが彼を陥れようとすれば、それは赤子の手をひねるほど容易いことだった。

その後、坂田和也の方から庄司一火に連絡が入って、彼らはようやく空白の一年間の真実を知ることになる。

坂田和也を拾って家に連れ帰ったのは、他でもない小林絵里だった。

小林絵里は、坂田和也に...

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