第92章

小林絵里が目を覚ますと、体にずっしりとした重みを感じた。ハッとして慌てて横を向くと、松本桜の脚が上に乗っかっているのが見え、彼女はホッと胸を撫で下ろした。

てっきり、あの坂田和也かと……

絵里は頭を振った。どうしてあのクズ男のことなんて思い出すのだろう。

桜の脚をどかし、ベッドから抜け出して洗面所へと向かう。

手早く簡単な朝食を作り、それから桜を起こしに行った。

寝ぼけ眼で身を起こした桜は、しばらく彼女をじっと見つめていたが、唐突に口を開いた。

「ねえ、昨日の夜、何があったか知ってる?」

絵里はきょとんとした。

「昨日の夜って、何かあったの?」

桜は大きなあくびをしながらベ...

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