第977章

二人がウェディングドレスショップを出ると、そよ風が頬を撫で、わずかな熱気を運んできた。

庄司玉輝は目を細め、唇の端に淡い笑みを浮かべる。

「真菜!」

そのとき、通りの向こう側から声が飛んできた。

庄司玉輝の口元から笑みが消え、瞳の奥に冷えた色が差す。

こんな晴れの日に、わざわざ水を差しに来るなんて。つくづく縁起が悪い。

「行きましょう」

向こうを振り返りもせず、須藤星皓の手をきゅっと握り、少し先に停めてある車へと足を向けた。

須藤星皓は彼女の不機嫌さに気づき、尋ねる。

「どうした?」

「疲れました。帰って休みたいです」

「……わかった」

須藤星皓はそう返事をしてドアを...

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