第981章

保坂邦央と木下春花は顔を見合わせた。狙いが見透かされた以上、これ以上芝居を続ける必要もない。

保坂邦央は不機嫌そうに顔をこわばらせ、ぶっきらぼうに言い放つ。

「もう分かってるなら話は早い。姉ってもんは弟を助けるのが筋だろ。6000万を出せ。そうしたら、お前が俺たちの面倒を見ないことは不問にしてやる」

「……ははは!」

庄司玉輝は、よほど可笑しい冗談でも聞いたみたいに笑い出した。須藤星皓を振り返り、声に皮肉を混ぜる。

「ねえ、笑えるでしょ? あの人たち、昔わたしを孤児院の前に捨てたの。女の子だからって。なのに今さらお金をせびりに来るんだよ」

須藤星皓の表情が冷える。そんな過去がある...

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