チャプター 22

サマー視点

理科棟の廊下には床用ワックスの匂いと、実験室で使う薬品のかすかな刺激臭が混じって漂っていた。私はロッカーへ向かう途中だったが、その半ばまで来たところで、エヴァンが角の向こうからふいに姿を現した。まるで午後じゅうずっとそこで待ち伏せしていたみたいに。

「サマー」

その声には、以前なら胸がきゅっとひっくり返った、あの滑らかで作り込まれた響きがあった。けれど今の私には、ただひたすらうんざりするだけだった。

「少し話せるか?」

ミアの手がそっと私の肘に触れた。無言のまま、ここを離れてもいいよ、と伝えてくる。けれど私はごくわずかに首を振った。こんなこと、今ここで片づけたほうがいい。...

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