チャプター 52

サマー視点

ダンキン・ドーナツの店内が、だんだん騒がしくなっていった。空気が切り替わるのがわかる――放課後のラッシュがどっと流れ込み、隣のテーブルでは、どこかの塾帰りらしい子どもたちが試験のことで言い争っている。天井のスピーカーは柔らかなインストゥルメンタルから流行歌へと切り替わり、低音が肋骨を叩くみたいに響いた。

それでも、私が意識を向けられるのは右手の人差し指だけだった。

まだ、じんじんしている。まだ熱い。まるで、キーランの唇が肌に印を残したみたいに。

胸に手を当てた。心臓の真上に。どうやって息をするんだったか、思い出そうとする。

向かい側で、キーランはやけに真剣な顔でコーヒーカ...

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