第11章

三週間後、私は中央裁判所の大理石の階段に立っていた。肩にカメラを担いだレポーターたちが、私に向かって殺到してくるのを眺める。

「榊原捜査官、今日のお気持ちは?」

「判決については、どのような見通しを?」

「黒嶋蓮司の行動について、どうお考えですか?」

私は捜査官の制服の襟を正し、カメラに向けてプロフェッショナルな笑みを浮かべた。「答えは、正義が示してくれます」

法廷の重い木の扉を押し開けると、冷房の風が勢いよく吹き付けてきた。傍聴席はメディア関係者や法学部の学生、そしてこの見世物を目当てに集まった野次馬で埋め尽くされていた。

私は群衆に視線を走らせ、やがて被告人席で...

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