第43章 私たちの契約、もうすぐ期限切れかな?

「相談じゃない。命令だ」

そう言い捨てると、彼は先にドアを押し開けて車を降り、そのままエレベーターへ向かった。

背の高い背中からは、押し殺した怒りと、触れさせない距離が滲んでいた。

白川凰姫はしばらく車内に座ったまま動けなかった。手足の先が冷えきって、ようやく、ゆっくりとドアを押し開ける。

冷たい風が薄手のセーターの隙間から容赦なく入り込む。けれど寒さは感じない。四肢の奥まで、ただ麻痺したような疲労だけが広がっていた。

室内は玄関のブラケットライトが一つ点いているだけ。芳丸巡哉の姿はもうなく、書斎の扉の隙間からわずかな光が漏れている。

靴を替え、ソファに腰を下ろした。

今日一日...

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