第55章 本当の『教訓』とは何か

白川逸也がここまで踏み込めたのは、後ろ盾があってこそだ。

白川凰姫みたいな女は、扱いが簡単。

白川家で育って、衣食住に困ったこともない。きちんと教育も受けて、プライドだけは高い。

一度ことが済んでしまえば、警察になんて行けない。

そんなふうに高を括っていた。

――けれど、白川逸也は読み違えた。

芳丸巡哉が、あのタイミングで扉を開けて入ってくるなんて。

芳丸巡哉の視線は、誰の顔にも止まらなかった。

まっすぐに、部屋の隅で小刻みに震える白川凰姫のところへ向かい、ジャケットを脱ぐ。触れたら壊れてしまいそうなくらい、そっと、そっと肩にかけた。

白川凰姫は目を閉じていた。

触れられ...

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