第70章 ただの戯れにすぎない

レオはひらひらと手を振り、身を少しだけ乗り出した。まるで秘密を打ち明けるみたいに声を落とす。

「正直に申し上げますと、あなたにご連絡する前に、ヴァレリアーニ家として国内のほかのデザイナーも何名か拝見したんです。たとえば文井青葉。最近、勢いがありますよね。彼女の作品は……そうですね、派手さや豪奢さは十分なんですが、どうにも何かが足りない。盛り込みすぎて重たいというか、魂が感じられないというか。あなたの作品と比べたら、差は歴然です」

この手の「持ち上げ方」をすれば、若いデザイナーはたいてい喜ぶ。そういうものだと、彼は思っていた。

川瀬清子も内心では「やった」と思い、口元が勝手に上がりかける...

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