第108章 あなたのベッドに寝たい

「早く、酸素マスクを!」

「血圧計!」

「病院に手術の準備をさせろ!」

……

小野寺彩音は道中ずっと意識が朦朧としていて、周りの声が絶えず聞こえてはいたが、瞼が重すぎて、どうしても開けることができなかった。

どうやって連れ去られたのかも、いつ病院に着いたのかも覚えていない。

最終的に意識がはっきりした時には、すでに病室のベッドに寝かされていた。

「彩音!」

ベッドのそばで付き添っていた洛条北兎が、小野寺彩音が目を開けたのに気づき、ぱっと立ち上がった。

「気分はどう? どこか具合が悪いところはない? 死ぬほど心配したんだから!」洛条北兎は言った。「手の傷が感染したうえに、体を冷...

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