第18章 結婚指輪を外す

「先輩、今日は本当にありがとうございました!」

小野寺彩音は先ほどの光景を思い出し、まるで浮気現場を押さえられたかのような、奇妙な罪悪感に襲われた。

きっと自分の道徳観が強すぎるせいだ。何しろ、まだ古賀硯司とは正式に離婚していないのだから!

門馬朔は少し照れくさそうに笑った。「もし、お礼が必要だと思うなら、週末に映画に誘ってくれないかな?食事は僕がご馳走するよ」

「……」小野寺彩音は丁重に断った。「先輩、週末は大学に戻らなければならないので、あまり時間がありません」

門馬朔は小野寺彩音の意図を全く理解しておらず、気前よく言った。「大丈夫だよ。僕たちは一緒に仕事をしているんだから、これ...

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