第286章 私は決して聖母ではない

今日は燦々とした太陽の光はなく、窓の外は静謐な灰色に包まれていた。

室内は不気味なほど静まり返っている。

江沢夫妻は小野寺彩音を見つめているが、口は開かない。内心の葛藤の末、南韻が小野寺彩音に口を開いたからだ。

「知世、間違ったことをしたのは知意よ。あの子はもう罰を受けたわ。私がこの国から連れて出て、二度とあなたたちの前に現れないようにするから。それでいいかしら?」

古賀硯司は小野寺彩音の手を握り、指先に力を込めて、彼女を力づけるようにぎゅっと握った。

小野寺彩音は感情を一切見せず、まるで無関係な他人を見るかのように、静かに南韻を見返した。

「先ほどの話、ご理解いただけましたか?南...

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