第346章 高橋樹が好きだろ?

神崎暁は自宅に戻り、荷物を片付けると、気持ちを切り替えて龍玉湾へと向かった。小野寺彩音とアフタヌーンティーを楽しむためだ。

妊娠六ヶ月を迎えた小野寺彩音は、今ではめったに外出しない。龍玉湾は広大で、自宅の庭を散策するだけでも十分だったし、退屈すれば古賀硯司が劇団を呼び寄せ、彼女のために公演を開いてくれるからだ。

「あなた、なんで黙ってあんな大ごとをしでかしたの? 事前に一言ぐらい相談してくれてもよかったじゃない」

小野寺彩音が今日、神崎暁を招いたのは、ある噂を耳にしたからだった。

「どれだけ危険なことか分かってるの? もし高橋樹が非情になって、高橋家が保身に走っていたら、あなたは藤崎家...

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