第37章 冷水シャワーを浴びて、彼を窒息させる

古賀硯司は小野寺彩音の手を取り、新たに来場した数組の客と挨拶を交わしていた。

洛条北兎が加賀庭川の腕に絡みついて会場に現れ、遠目に小野寺彩音を見つけると、手を挙げて挨拶した。だが、すぐに小野寺彩音と古賀硯司が手を握り合っているのが目に入り、眉をぴくりと上げた。

小野寺彩音「……」なぜか、つまみ食いをした後、本妻と顔を合わせられないような後ろめたさを感じる。なんてこった!

加賀庭川は持参した祝いの品を無造作に受付の古賀家の執事に手渡し、古賀硯司と小野寺彩音が繋いだ手を見遣って言った。「古賀様は本日、随分とご機嫌麗しいようで。大奥様のご長寿祝い、あなたも祝い事が重なって晴れやかなお顔ですね」...

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