第38章 急性ショック

古賀景希の顔色は、たちまち見たこともないほどに険しくなった。その場を目撃された衝撃と緊張に加えて、骨の髄からの恐怖が込み上げてくる。

皆同じ古賀家の血を引く者でありながら、古賀硯司は生まれついての別格だった。

古賀家のこの世代の男子は皆、名前に「景」の字を用いるが、古賀硯司だけは古賀大旦那様が自ら名付け、格別の寵愛を受け、古賀家の後継者と目されていた。

しかし……。

古賀景希は小野寺彩音に視線を送り、その眼差しに次第に強い決意を宿らせた。

彼は深く息を吸い込み、胸を張ると、勇気を振り絞って古賀硯司と向き合った。「俺は毎月一千万の小遣いがある。これは全部、彩音にあげる!」

「一千万で...

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