第44章 三年間の結婚、もう我慢できない

古賀錦枝は声を潜め、恐る恐る尋ねた。

「小野寺彩音、もしかして硯司兄さんと喧嘩したの?」

小野寺彩音は愕然として彼女を見つめた。

この子の小さな頭で、どうしてそんなことが分かったのだろう?

「なによ、その目は!私が馬鹿だから、気づくはずないって思ってるんでしょ!」古賀錦枝は地団駄を踏んだ。

「違う、そんなことない、言いがかりよ」小野寺彩音は顔色一つ変えず、三連続で否定した。

古賀錦枝は唇を尖らせる。「じゃあ、彼と喧嘩したんでしょ?」

小野寺彩音は近くにあったデザート店を選び、古賀錦枝を連れて中に入って腰を下ろした。

小野寺彩音は正直に言った。「喧嘩より深刻よ」

「離婚するの?」...

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