第45章 私の妻のものは、私の妻だけにあげる

「私は小野寺彩音学院の学部長だ!」学部長はさらに怒りを募らせた。

小野寺彩音に教養がなっていない、その兄もだ!

「小野寺彩音がどうかしたのか?」古賀硯司はあまり忍耐強くない様子で尋ねた。

「先ほど言ったでしょう? 小野寺彩音は学院の決定に従わず、学院の指導陣に疑問を呈し、更には私を脅迫したのです! 長年教鞭を執ってきましたが、これほど手に負えない学生は見たことがありません!」

「先生、この人は私の保護者ではありません。口出しできませんし、言っても無駄ですよ」小野寺彩音は身をずらし、学部長が古賀硯司を見る視線を遮った。

彼女は古賀硯司に自分の問題に関わってほしくなかった。

「君の兄じ...

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