第59章 頭の中が黄色い廃棄物でいっぱい

古賀硯司の心の底が、ふと柔らかくなる。

彼はベッドの傍らに立つと、音もなく屈み込み、小野寺彩音を見つめるその眼差しは、まるで稀代の宝物でも見るかのようだった。

彼は小野寺彩音の手首を取り、その手の甲に一つ、唇の端に一つと口づけを落とすと、持参した傷跡消しクリームを手に取り、そっと彼女の傷口に塗り込んでいく。

「ん……」

眠っていた女が甘い声を漏らし、邪魔をされたかのように、小さな眉をわずかにひそめた。

古賀硯司は動きを止め、彼女が落ち着くのを待ってから、再び薬を塗り始める。

最初から最後まで、彼の顔色に慌てた様子はない。小野寺彩音が身じろぎした十数秒の間も、彼はただ静かに見つめ、待...

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