第60章 古賀様が助けに来た

小野寺彩音は一瞬きょとんとした後、嘲るように鼻を鳴らした。「どうりでこんなに時間が経ってから文句を言いに来たわけね。古賀硯司を恐れていたんでしょう!」

その顔には、侮蔑の色がありありと浮かんでいた。

小野寺永海は、先ほどの明石の母の衝撃的な一言にまだ囚われており、数秒経ってようやく我に返った。

彼は小野寺彩音の腕を掴み、焦ったように問い詰める。

「彼女は何と言ったんだ?お前、古賀硯司と離婚したのか?いつの話だ?」

「お父様、私と古賀硯司は確かに離婚します」

「離婚?なぜ離婚などする!誰が許した?離婚はならん!」

小野寺彩音が離婚すれば、古賀家から回ってきた商談の数々は、すべて水の泡...

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