第95章 古賀硯司:私はスリルが好き

玄関の人感センサーライトが、二人の長い沈黙のせいで消えた。

「他に何か言いたいことはあるか?」洛条北兎はとうとう堪忍袋の緒が切れた。

加賀庭川は指先で煙草を弄びながら、問い返した。「何が知りたい? 俺が橋爪薇々と寝たかどうかか?」

その問いを聞いて、洛条北兎は笑ってしまった。

「そんなこと知ってどうするの? 加賀庭川、私もあなたをそこまで気にしてないわ。あなたが私を気にしていないのと同じようにね」

事が起きてから今まで、彼が自ら説明してこなかったのに、どうして今更彼女が尋ねるというのだろうか?

熱い顔を冷たい尻に押し付けるなんて、つまらないにもほどがある。

それに、過去二年間、彼...

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