第97章 妻がホストクラブに行った

「いつから煙草を吸うようになったの?」

小野寺彩音は歩み寄り、彼の隣に立つ。

小野寺俊明は彼女がわざわざ自分のために屈んでくれたのを見て、すぐに立ち上がり、煙を浴びせないように煙草を脇にどけた。

彼は背が高く、まっすぐ立つと、ハイヒールを履いた小野寺彩音でさえ、彼を少し見上げなければならない。

「こ、高校の時から……」小野寺俊明は、悪いところを見つかったような気まずさを感じていた。

「ずっと中に入らなかったの?それとも今出てきたところ?」と小野寺彩音は尋ねる。

小野寺俊明は髪をかきむしり、正直に答えた。「今出てきた」

その気まずさの中に無理やり悲しみを隠している様子から、彼がすべ...

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