第98章 知世、男を誘惑したい?

ナイトとは言うものの、実際はクラブのような場所だった。

豪華な一戸建ての屋外芝生では、煌びやかな照明が溢れ、酒宴が繰り広げられている。

半裸の筋肉質な男性モデルたちがキャットウォークを歩き、気前の良い女性客たちのための娯楽としてショーを披露していた。

「気に入った子はいる?」隣に座る小野寺彩音に、洛条北兎が尋ねる。

そう話している間にも、何人もの男性モデルがこちらに流し目を送ってきていた。

小野寺彩音は首を横に振った。

こういう場所の存在は知っていたが、来たことは一度もなかった。今は少し、ぞっとするような感覚を覚えている。

好奇心に駆られ、小野寺彩音はあたりを見回した。ふと、隅に...

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