第71章

こちら、病院を出た後、佐藤暖子は夏目聖美のところへ向かった。

一つは幼稚園の子供たちの様子を見るため。初登園日ということもあり、少し心配だったのだ。

もう一つは、小野奈々の件で、まだ動悸が収まらなかったからだ。

話を聞き終えた夏目聖美は、驚きと怒りを露わにした。

「美並は林川先輩のあの従妹にすごく良くしてあげてたのに、まさか陰で美並が死ぬように呪ってたなんて、本当に恩知らずな子ね。しかもあなたのことまで嫌ってるなんて、ふん、いい気なもんだわ。だから言ったでしょ、不幸な人には往々にして問題のある面があるって。今、彼女が子供を失くして可哀想に見えるかもしれないけど、美並へのあの態度を見た...

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