第27章 十人の男のうち九人は悪い

北村昇太は危うく気絶しそうになった。手に入れた株を返すことなどできるはずがないし、彼女にこの巨額の金を渡すことも不可能だった。

「お前、本気で狂ってるな。そんなことを奴らに話したところで、どうなると思ってるんだ」

「それなら、試してみればいいじゃない」

北村昇太は彼女の脅しに屈するわけにはいかない。「なら好きにしろ」

北村萌花は彼が電話を切るのを見ると、すぐさま何人かの叔父たちに連絡し、内外から呼応して北村昇太を叩きのめすよう協力を求めた。

北村昇太は心の内で漠然とした不安を感じ、北村萌花が一体何をしようとしているのか分からなかった。

まもなく、会社の助理から電話がかかっ...

ログインして続きを読む