第319章 無力な北村昇太

北村昇太は手元のスマホを呆然と見つめていた。ハッと我に返ると、無意識にそれを地面へ叩きつけようとした。

「落ち着け、落ち着くんだ。絶対にスマホを投げちゃ駄目だ。今の俺には新しいスマホを買う余裕なんてないんだから」

北村昇太は無理やり自分を落ち着かせ、手元のスマホを見つめながら躊躇いの表情を浮かべた。

「あいつに頼るしかないのか? だが、もし殺されかけたらどうする? こんなやり方で脅して、本当に言うことを聞くのか?」

北村昇太の顔に迷いの色が濃くなる。彼が口にした人物とは、他でもない森村浩人のことである。

ただ、今の北村昇太には後がないことなど百も承知だった。森村浩人にすがるしか、生...

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