第39章 相互の弱みを握る

北村希はそれを聞くと、おかしくてたまらなかった。「北村昇太、物乞いに恵んでるつもり?言ったはずよ、財産の半分をよこせって。さもなければ裁判よ」

北村昇太は自信満々に彼女を見据えた。「北村希、俺が知らないとでも思ったか。当時、お前が産科医を買収して、分娩室で前田美紀子を殴らせた。それが原因で彼女は難産で死んだんだろう」

北村希は顔面蒼白になり、驚愕の表情で彼を見つめた。

「まさか、全部知ってたの?」

「知っているどころか、その医者たちが今どこにいるかも把握している」

北村希は首を横に振った。「あなたがそんなに非情だなんて思わなかった。全部知っていたなら、どうしてあの時彼女を助...

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