第79章 佐藤社長が彼女のために立ち上がる

佐藤グループ専務オフィス。

佐藤健志が会社の書類を処理していると、下村賢太がオフィスのドアをノックした。

「佐藤社長、西田院長がお見えです」

佐藤健志は口角を上げて笑う。「ずいぶんと早いお着きだな。通してくれ」

下村賢太に案内されて入ってきた西田清司は、恭しく口を開いた。「佐藤社長、お忙しいところ申し訳ありません。ただ、お伺いしたいのですが、なぜ私の院長選への出馬資格を取り消されたのでしょうか」

本来、このポストは彼が手中に収めるはずだった。それがこの有様だ。佐藤健志に直接取り消されてしまったのだ。

肝心なのは、自分が何をしでかしたのか全く心当たりがないことで、わざわざ...

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