第53章

青木圭は多量の出血で、全身が冷たく、めまいがしていた。

医師は検査を勧めたが、青木圭は冷たい声でそれを拒否した。

江口ココがまだ出てこない以上、彼はここを離れるつもりはなかった。

どれくらい待ったか分からないが、ようやく手術室の赤いランプが消えた。

青木圭はぱっと立ち上がり、その構わず突進する勢いに、傍にいた医師たちもびっくりした。

江口ココが運び出されるのを見ると、青木圭は大股で近づき、「彼女はどうだ?」と尋ねた。

「青木社長、ご安心ください。この女性の状態に危険性はありません。表面的な傷だけですが、頭部を打撲しているため脳震盪の恐れがあります。しばらく入院して様子を見ることを...

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