第6章

「漫画専門学院、第十回同窓会へようこそ!」

豪華ホテルの宴会場に、各期の同窓生が一堂に会していた。

夏美が姿を見せるや否や、すぐに人だかりができた。

「夏美!新作はいつ出るんだ?」

「サインもらってもいいかな?」

「今や君が、うちの学院で一番有名な同窓生だよ!」

夏美は皆の熱意に礼儀正しく応えながらも、心の中ではどこか居心地の悪さを感じていた。

彼女は宴会場を見渡し、見知った顔を探す。

「夏美……」

背後から、少しばかり年季の入った声が聞こえた。

夏美が振り返ると、そこにいたのはほとんど見分けがつかないほどの男だった。

後退した生え際、崩れた体型...

ログインして続きを読む