第10章

「視察に来たんだ。三浦監督から聞いてない?」

神園和臣は、見る者の気を抜かせるような甘い目元に、いつもの気だるげな笑みを滲ませたまま、さりげなく話題を逸らした。

さっきの気まずさに触れないその気遣いに、新藤鈴奈も素直に乗る。

「先輩からは聞いています。よろしければ、中をご案内します」

そう言って軽く手を差し出し、どうぞ、と促す。

神園和臣は頷き、彼女のあとについて撮影スタジオへ足を踏み入れた。

相手はこの作品の出資者だ。新藤鈴奈としても、ぞんざいにするわけにはいかない。

彼女はスタジオ内を一通り案内しながら、今後の進行予定や制作プランについて、ひとつひとつ丁寧に説明していった。...

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