第11章

大手の仕事は早かった。新藤鈴奈が家に戻るころには、もう神園和臣の秘書から書類が届いていた。

前に見せられたものより、今回のほうがずっと正式だ。

『新藤さん、一度ご確認ください。問題がなければ、明日会社までお越しいただき、正式にご契約いただければと思います』

鈴奈は礼を返し、それから少し迷った末、そのデータを三浦江成にも送った。

ほどなくして、三浦江成から電話がかかってくる。

「契約書って、どういうことだ? どこが君を取りたがってるんだ?」

「神園和臣さんです」

鈴奈は立ち上がってリビングのソファに腰を下ろし、自分のために水を一杯注いだ。

「今日、撮影現場の視察に来たとき、急に...

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