第22章

「せっかく集まったんだし、楽しもうよ。もうイヤなことは考えない」

ぼんやりと一点を見つめていた新藤鈴奈の耳に、やわらかな釘を刺すような言葉が届いた。

我に返って振り向くと、そこにはシェリーさんの淡々とした横顔。

勘違いされたと気づき、新藤鈴奈は慌てて手を振った。

「違うんです。嫌なこと考えてたわけじゃなくて……あそこにいる女の子を見て、うちの娘のこと思い出しただけで」

シェリーさんは指先の向くほうへ目をやる。休憩スペースで、母親らしき女性と楽しそうに話している小さな女の子がいた。

彼女はわずかに眉を上げる。

「娘がいるの?」

「はい。もう幼稚園です」

新藤鈴奈は口元だけで笑...

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