第47章

新藤鈴奈の顔色がさっと変わった。

この人、子どもに二人のどちらを選ぶか迫っている――

そんなこと、どうして平気でできるの。

「稲垣征也、いい加減にして!」

けれど稲垣征也は、彼女の声など聞こえていないかのように取り合わない。

稲垣日織は板挟みになっていた。

ようやくママと仲直りできたばかりだ。

でも、パパと行かなければ、今度はパパが悲しむかもしれない。

何度も迷った末、日織はうつむき、小さな声で言った。

「……パパと行く」

その答えを聞いた瞬間、新藤鈴奈の胸が痛まなかったはずがない。

それでも、もうこれ以上まともにぶつかり合う気力は残っていなかった。

結局、彼女は稲垣...

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