第48章

神園和臣は、稲垣征也に追い出された。

社長室の前で、秘書は軽く会釈をした。態度はまだ丁寧なほうだ。

「神園社長、どうかお引き取りください。稲垣社長から、今後は二度と会社に足を踏み入れさせるなと申しつかっております。私どもも雇われの身ですので、どうか困らせないでいただけますか」

神園和臣はスーツの皺をぱん、と軽く払うと、唇の端に気ままな笑みを浮かべた。

「おたくの社長、頭に血が上るとすぐ人を追い出す癖、いつになったら直るんだろうな。まあ、今日はちゃんと忠告はしておいたよ。あとで後悔しても、俺のところに泣きついてくるなってね」

「さっさと失せろ!」

部屋の中から、男の怒号が飛んできた...

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