第13章 やらかす

渡辺美咲がメモをゴミ箱に放り込んだ、その直後だった。

不意に、スマホが鳴る。

画面に出た名前を見て、彼女ははっとした。病院の同僚からだ。

慌てて通話を取ると、受話器の向こうから切羽詰まった声が飛び込んできた。

「美咲、まだ病院に来てないの? 今日の午前、大きなオペがあるでしょ。執刀はあなたよ。みんな待ってるんだから!」

その一言で、渡辺美咲の顔色が変わった。

しまった、と額をぺちんと叩く。

昨夜はあまりにも色々ありすぎた。気も張り詰めきって、心まで擦り切れていたせいで――今日の手術のことを、すっかり忘れていたのだ。

これはまずい。冗談では済まない。

美咲は電話口で何度も謝り...

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