第17章 発熱

渡辺美咲は、ソファに斜めにもたれかかるその人影を見た瞬間、瞳をかすかに縮めた。

「……どうしてあなたがここにいるの?」

声がわずかに強張る。無意識のうちにバッグの持ち手をぎゅっと握りしめ、警戒を隠しきれないまま彼を見つめた。

ケビンはもう姿を見せない――そう言っていたはずだった。

それなのに、こんな夜中にまた自分の家にいる。

怖くないはずがない。

ケビンは手にしていた水の入ったグラスを置き、ゆっくりと立ち上がった。足取りは落ち着いていて、少しずつ渡辺美咲へ近づいてくる。

声音はひどく静かで、敵意らしいものはまるで感じられない。

「渡辺さん、そんなに警戒しないでください。害を加...

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