第23章 暗号

男は目を細め、渡辺美咲をしばらくじっと見据えた。

彼女の言葉がどこまで本当なのか、値踏みしているようだった。

渡辺美咲の心臓はうるさいほど鳴っていた。けれど表情だけはどうにか平静を装い、目にはおずおずとした懇願をにじませる。

「お兄さん、本当に電話するだけです。無事だって伝えたいだけで……。うちの子、まだ4歳で、しかも具合が悪いんです。家の年寄りもきっと心配してます。このまま警察に届けられて、私を探し回るようなことになったら……逆に、あなたたちの邪魔になるでしょう」

男たちは数秒、黙り込んだ。

メリットとデメリットを考えているのが分かる。

やがて男はポケットから渡辺美咲のスマホを...

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