第24章 盾になる

マンションの空気は重苦しく、息が詰まりそうだった。

 男は部屋の中を何度も行き来しながら、鋭い目で隅々まで警戒していた。手下どもは物陰に潜み、ケビンが自分から網にかかるのを静かに待っている。

 渡辺美咲はソファへ乱暴に座らされていた。手足は縛られていない。だが、男がすぐ隣に腰を下ろし、銃口をずっと彼女のこめかみに突きつけていた。

 そのせいで、美咲は動くことも、口を開くこともできない。

 それでも耳だけは、ひたすら玄関の外の気配を拾おうとしていた。

 時間が、じりじりと過ぎていく。

 10分。

 20分。

 30分。

 玄関の向こうは、いつまで経っても静まり返ったままだった...

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