第28章 彼は目を覚ました

そのバッジをしまい込み、渡辺美咲はもう一度キャッシュカードを見つめた。

 ちょうど今日は休みだ。なら、このカードにいくら入っているのか確かめに行ってもいい。

 もし額が大きすぎるなら、返す方法も考えなければならない。

 ケビンとは知り合ってまだ日が浅い。しかも顔を合わせるたびに、ろくなことがなかった。これ以上あの男と関わりを持つなんて、まっぴらだった。

 だが、銀行のATMの前に立ち、表示された数字を見た瞬間、渡辺美咲はしばらくその場で固まった。

 2000万。

 画面に並ぶゼロの列を、渡辺美咲は食い入るように見つめた。1度、2度、3度。数え直しても見間違いではない。

 ケビン...

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