第44章 ママはもう私をいらない

「田中社長、まだ傷が完全には塞がっておりません。しばらくは安静第一です。大きな動きは避けてください。日常の動作も、傷口に響かないよう注意して。まずは体を休めて、しっかり回復してから動きましょう」

医師の小言はまだ続いていたが、田中康介の意識はとうに別の場所へ流れていた。

渡辺美咲は――もう、自分を愛していないのかもしれない。

その可能性が胸をよぎった瞬間、ずしりと胃の奥が沈んだ。

一方の渡辺美咲は、ベッドの上で何度も寝返りを打っていた。

一日じゅう疲れたはずなのに、今夜はどうしても眠れない。

手元にスマホを取り、ぼんやりとスクロールする。指先が画面を滑ったところで、とある投稿が目...

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