第51章 手のひらで転がす

渡辺美咲はその問いかけに、どう答えればいいのか分からなかった。

沈黙する彼女の横顔を見て、田中蘭は胸の内でそっと息を吐く。

「……ちょっとベランダ、歩こうか」

田中康介が渡辺美咲をかばって銃弾を受け、そのせいで自分が怪我をした――その一件で、田中蘭の中にわだかまりがないと言えば嘘になる。けれど、だからといって表立って関係を壊す気もなかった。

渡辺美咲は黙って彼女についていき、ベランダへ出た。

街の灯が遠く瞬き、夜風が薄く頬を撫でる。田中蘭はしばらく黙ったまま、その光を見つめてから、ようやく口を開いた。

「美咲。正直に言って。……あなたと康介、もう本当にやっていけないの?」

期待...

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