第14章
食後、神谷陸が紙ナプキンを私に差し出した。
「美月。神谷の本邸で安静にするのはいい。でも、ばあちゃんも歳だろ。お前の面倒まで見きれない。……いい子だから、家に帰ろう?」
口元を拭ってから、私は顎を上げて彼を見返す。
「陸、何言ってるの。お手伝いさんもたくさんいるし、私が、おばあさまに世話をさせるわけないでしょう」
やっぱりだ。
この男、私を連れ出すつもりを、まだ捨てていない。
ただ……ここまで食い下がるのは、正直、想定外だった。
私の返しは隙がないはずなのに、神谷陸の目の奥に、ほんの一瞬だけ不満が走る。けれど露骨に機嫌を悪くする勇気はないらしい。
「ちょっと……」
そう言い...
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