第18章

ソファに腰かけて甘いものを口にしていたとき、不意に横から神谷陸の声がした。私はぴたりと動きを止め、顔を上げて彼を見る。

神谷陸はグレーのスーツを隙なく着こなし、背筋をすっと伸ばして立っていた。整った顔立ちの横には、いかにもおとなしく優しげに見える女が一人。

白石萌は神谷陸の腕に絡みついたまま、まず私を値踏みするように見た。視線は私の顔の上で、きっかり5秒ほど止まる。

「相沢さん、こんにちは」

そう言って白石萌は私に手を差し出した。けれど、神谷陸の腕は離さない。

私はあえて反応しなかった。すると神谷陸のほうが先に焦れた。

「美月、萌が挨拶してるだろ」

「見えてるわ」

私は神谷陸...

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