第26章

そのせいで、そばに控えていた使用人たちまで一斉に息を呑んだ。千代などは、あからさまに私へ目配せを繰り返してくる。これ以上、蓮司様の機嫌を損ねないで――そう言いたいのだろう。

私だって、彼からじわじわ滲み出るあの冷気には気づいていた。けれど、ここで引き下がるわけにはいかなかった。あの腕輪は、私にとってそれほど大事なものだから。

戻ってこないままなんて、どうしても落ち着かない。

不意に顎をつかまれた。

蓮司が私の顎をぐいと持ち上げ、そのまま顔を近づけてくる。瞬きひとつしない目で、じっと私を見据えた。

「どうやら、その腕輪はお前にとってよほど大切らしいな」

「もちろんです。だから、返し...

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