第33章

彼が腰をかがめて不器用に片づけているのを見て、真っ先に頭に浮かんだのは――あの家の別荘にいた、何十人もの使用人だった。

小さい頃から何不自由なく育った御曹司。家事なんて、やったことがないのが丸わかりだ。

蓮司がまたうっかり埃を舞い上げた瞬間、咳き込みが止まらない彼に近づき、手にしていた道具をそっと奪った。

「……ねえ。無理しないで、休んでて。ここ、私ひとりでやるから」

神谷陸はたぶん一人で来た。壊れ方も想像していたほどひどくないし、私がゆっくり片づければ十分間に合う。

けれど蓮司は眉を寄せ、何かを証明するみたいに箒を取り返すと、わざわざ私の目の前で掃きはじめた。

「……妙に意地っ...

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