第43章
視線を逸らし、淡々と言ってやった。
「それなら、私を祝ってくれてもいいんじゃない?」
ここ数年、私が神谷陸に尽くしてきたことは、いつの間にか彼の中で「当然」になっていた。とりわけ仕事に関しては顕著だ。面倒な案件は全部私に押しつけておいて、いちばん大事なものだけは平然と見落とす。
放っておけば、人は簡単に入れ替わる。
自分で守らない席は、誰かに座られる。
こちらが手駒と繋ぎ直したら、あとは待つだけでいい。
神谷陸は一ノ瀬蓮の人間に一度きっちり〝しつけ〟られたらしく、すっかり意気消沈して、こちらへは二度と能動的に連絡してこなかった。泥をかぶった犬みたいに、しっぽを巻いて。
その一方...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
11. 第11章
12. 第12章
13. 第13章
14. 第14章
15. 第15章
16. 第16章
17. 第17章
18. 第18章
19. 第19章
20. 第20章
21. 第21章
22. 第22章
23. 第23章
24. 第24章
25. 第25章
26. 第26章
27. 第27章
28. 第28章
29. 第29章
30. 第30章
31. 第31章
32. 第32章
33. 第33章
34. 第34章
35. 第35章
36. 第36章
37. 第37章
38. 第38章
39. 第39章
40. 第40章
41. 第41章
42. 第42章
43. 第43章
44. 第44章
45. 第45章
46. 第46章
47. 第47章
48. 第48章
49. 第49章
50. 第50章
51. 第51章
52. 第52章
53. 第53章
54. 第54章
55. 第55章
56. 第56章
57. 第57章
58. 第58章
59. 第59章
60. 第60章
縮小
拡大
