第55章

たとえ覚悟していたとしても、あんなねっとりした目で舐め回すように見られれば、胸の奥がざわつく。

反射的に隣の一ノ瀬蓮へ視線を投げた。だが彼は、何の反応も示さない。

――守ってくれる人、とは到底思えない。

「……」

息を深く吸う。押し込めた不安が、また喉元までせり上がってきた。

お腹の子は一ノ瀬蓮の子。けれど、いざという場面で彼が必ず私の味方に立つとは限らない。

言い換えれば――彼にとって大事なのは子どもだけで、私がどう扱われようと、子どもさえ無事なら構わない……そんなタイプにも見える。

もし――。

「私は、協力関係を取りつけに来ただけです」

一歩引く。長谷川毅が伸ばしてきた...

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