第8章

プログラムは予定より一週間長引いたが、私は気にしていなかった。スポーツ心理学の追加資格は、それだけの価値があったから。

国際空港のロビーを歩きながら、私は興奮で飛び跳ねんばかりだった。三ヶ月間の集中トレーニング、新しい技術、上級資格。啓一に私が学んだことすべてを話すのが待ちきれなかった。

彼に着陸したとメールしようと携帯を取り出したが、バッテリーが切れていた。フライトに間に合わせようと急いでいたせいで、充電し忘れたのだ。

問題ない。家に戻って、彼を驚かせてやろう。

手荷物受取所に向かっていると、ある言葉が聞こえてきて、私はぴたりと足を止めた。

「……日本人実業家、オース...

ログインして続きを読む